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誰も気づかなかった!犯罪の落とし穴②

知らないうちに陥る犯罪の盲点

住宅地

こんにちは、防犯専門ブランドのarcana《アルカナ》情報局です。

このサイトでは防犯の第一人者である日本防犯学校 学長の梅本正行先生から学んだ「今日からできる命と財産の守り方」をお伝えしていきます。

 

家族や自分自身の命、財産を守るためには犯罪者から狙われるポイントを知り、適切に防犯対策をする必要があります。なんでもかんでもやみくもに防犯対策をしても犯罪のプロに対して抑止力にはなりません。

 

まずはどのようなスキを狙われるのか、犯罪者が情報収集するポイントを知っておきましょう。

 

線路沿いに建つ家は狙われやすい!?

住宅への侵入窃盗で最も多い侵入経路は「窓」です。

 

窓ガラスの中央にある鍵の付近を割って、そこから手を入れ内側から鍵を開けるケースが多く、特殊な工具で窓錠の付近に小さな穴を開ける「こじ破り」、火に弱いガラスの特性を利用した「焼き破り」という手口も横行しています。窓に格子がある場合、それを強引に外します。

 

次に多い侵入経路は「玄関」です。

 

「ピッキング」という言葉はよく知られるようになりましたが、ピッキングのように鍵を不正に開錠する方法ではなく、ドアの隙間に特殊な工具などを差し込んで施錠部を強引にこじ開けるなど、ドアを破る犯罪者もいます。

 

いずれにしても、犯行時には“破壊音”が伴います。

 

「ガシャン」とガラスが割れる音が聞こえれば、ほとんどの人は「なんだろう?」と不審に思うはずです。

 

けれども、線路際の家で、電車が通過する時に合わせて窓ガラスを特殊な工具などで叩いたらどうでしょうか。

線路沿い

電車の通過する音がどれほどうるさいかは、線路沿いに住まいの方であれば十分わかることでしょう。侵入犯がガラスを割る「ガシャン」という音など、いとも簡単にかき消されてしまいます。

 

さらに、駅に近ければ、犯行後すぐに電車に乗ることができますから、「逃げやすい」という犯罪者にとっては好条件も加わります。

 

同じ理由で、幹線道路沿いも危険地帯です。線路沿いと同様、侵入する際に生じる音を車の騒音がかき消してくれ、犯行後は車で遠くへ逃げることが出来るからです。

 

高速道路のインターチェンジに近ければ、さらなる注意が必要です。犯行後に短時間で他府県まで逃げられるからです。

 

二世帯住宅は狙われやすい!?

二世帯住宅が狙われる理由として、家族が増えることで芽生える心理的な安心感が、防犯対策を手薄にしてしまうという危険性があります。常に誰かが家に居ることが多いので「空き巣被害には遭わない」と思い込んでしまうのです。

 

ところが、実際はそうではありません。犯罪者はそういった住人の心のスキに入り込み、狙ってくるのです。

 

とある二世帯住宅家庭の事例を紹介しましょう。

 

下の階に住む親御さんは家に居ることが多いのですが、OLである妹さんは帰宅時間がまちまちです。上の階のSさん世帯もご夫婦の帰宅時間はまちまちです。子供2人は元気盛りの小学生ですから、部屋を走り回ることが多いでしょう。そんな家族の場合です。

 

夜中に家のどこかで「パタン」と音がしたとします。階下に住む親御さんは「Sさん夫婦のどちらかが帰宅したのだろう」あるいは「孫がトイレに行ったのかな」などと思うことでしょう。

 

一方、Sさん夫妻が夜中に同じような音を聞けば「妹が帰宅したんだろう」と思い、明け方なら「年寄りは早起きだから新聞でも取りに行ったのだろう」と不信感を抱きません。

 

もうお分かりでしょう。二世帯住宅はそこが落とし穴なのです。

二世帯住宅

実際は、物音を立てたのは「忍び込み犯」だったというケースが大変多いのです。忍び込みとは、住人が就寝中に忍び込み、犯行に及ぶことです。

 

先日捕まった犯人は、二世帯住宅ばかりを狙う常習犯でした。二世帯住宅を専門に狙る泥棒というのは実は多いのです。防犯意識が希薄になることをよく知っているわけです。

 

ですから、もし二世帯住宅に住むなら、家族全員が防犯意識を高めなければなりません。

 

なお、二世帯住宅の侵入犯罪では、顔見知りによる犯行が少なくありません。近隣の住人なら家族構成やライフスタイルをよく知っているからです。そういうケースで犯人と鉢合わせになった場合は大変危険です。

 

顔の知られている犯人が居直り、強盗や殺人などに発展する可能性が高まるからです。特に夜中にトイレへ立つことが多い高齢者は、暗闇になかなか目が慣れません。

 

そこに襲いかかって来ることも多いので注意が必要です。高齢の親御さん世帯との二世帯であれば、そういった点にも配慮してください。

 

まとめ

大事なのは、犯罪者が下見をした段階であきらめるような「狙われない家」づくりをすることです。次に「侵入させない家」づくりをすることです。犯罪者に情報を与えないように注意深く生活し、防犯意識を高く保ちましょう。

 

どうか少しでも防犯対策の質を高め、安全に過ごせるよう工夫しましょう。

 

皆様の防犯対策のヒントになれば幸いです。社会から1つでも犯罪が減りますように。

 

 

〈出典・参考文献〉

著者:梅本正行

書名:泥棒はなぜ「公園に近い家」を狙うのか?

発行元:現代書林

発行年:2009年

泥棒はなぜ公園に近い家を狙うのか

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