便利なインターネットは犯罪の宝庫

こんにちは、防犯専門ブランドのarcana《アルカナ》情報局です。

このサイトでは防犯の第一人者である日本防犯学校 学長の梅本正行先生から学んだ「今日からできる命と財産の守り方」をお伝えしていきます。

 

キャッシュレスやネットショッピングなどのEC化が進んで久しい近年、個人情報を守ることがいかに難しいことか実感している方も多いのではないでしょうか？

 

たとえ自分自身で完璧に個人情報を守っていたとしても、ネットショップ側のミスで情報流出、企業自体がサイバー攻撃を受け情報漏洩してしまうなど自分以外の要因で個人情報を盗まれることもあるからです。

 

情報を盗まれる確率としては個人の方が高いのは、セキュリティが企業に比べ個人の方が甘いためです。せめて自分で情報漏洩をしてしまわないように、どのようなことに注意して生活すればいいのか日頃から対策を考えておきましょう。

 

個人情報を奪う偽サイト「フィッシング詐欺」

フィッシング詐欺とは、銀行、クレジット会社、ショッピングサイトなどを装ってメールやSMSを送付し、実在する企業の偽のホームページのリンクを貼って受信者にアクセスさせ、クレジットカード番号やID、パスワードなどを入力させて、個人情報を盗み取る詐欺行為のことです。

 

盗み取った情報をもとに、お金を騙し取られる被害が多発しています。

 

ユーザーを釣る“エサ”となるのは特定企業から届いたように見せかけたメールです。送信者名をその企業名にして、本文に「下記のURLにアクセスして情報を更新してください」などと誘導するのです。

 

実際にあった某ネットバンクのフィッシング詐欺を例にすると、まず「info@銀行名.com」などと、もっともらしいメールアドレスからメールが届きます。

 

本文には「個人情報が盗まれる事例が相次いでいるため、すぐにあなたの情報を確認しなければならない」と記載され、リンクが貼られた某ネットバンクのURLが記されています。

 

慌ててアクセスすると、そこに偽の某ネットバンクのサイトが出現し、顧客の口座番号や暗証番号などの入力を促し、ログインするよう要求されます。ここで要求通りに入力すれば個人情報が盗まれます。

 

偽物のサイトを見分ける方法

フィッシング詐欺でやっかいなことは、リンクをクリックして出現したサイトが本物そっくりであり、偽物なのか本物なのかを判断することが難しい点です。またワンクリックで不当な請求をされる場合もあるので、不審なメールのURLを安易にクリックしないようにしましょう。

 

たご存知の方も多いと思いますが、偽物のサイトを見分けるポイントはいくつかありますので、簡単に記載しておきます。

 

・サイトのURLに怪しい点がないかドメインなどをチェックする

 

・会社の概要、販売者の情報をチェックする

 

・別の検索エンジンで企業名などを打ち込んで検索して比較してみる

 

・SSL化されていても油断しない

 

ネットカフェからも個人情報が漏れている

不特定多数の人が利用するパソコンで個人情報を入力することは非常に危険であることを認識して頂きたいです。

 

ネットバンクやネットショッピングをしないのは当然、たとえフリーメールのアカウントであろうと、IDやパスワードを入力してログインすることも控えた方が安全です。

 

ネットカフェから個人情報が流出した事例としてご紹介します。

とある都内のネットカフェに犯行グループが仕掛けたのが「キーロガー」と呼ばれるソフトです。

キーロガーとは、キーボードから打ち込んだ情報をすべて記録するソフトです。

 

ある方が某ネットバンクにアクセスし、振込の手続きをしました。後日、スマホでネットバンクの残高照会をすると口座にあったはずの１，０００万円近い預金がそっくり消えてなくなっていたのです。

 

「キーロガー」により、キーボードから打ち込んだ口座番号やパスワードなど個人情報が記録され、その情報がネットカフェのパソコンから自動的に犯行グループのパソコンに送られるようなシステムになっていました。

 

犯行グループは入手したパスワードや口座番号をもとに本人になりすまし、口座からお金を盗んだのです。その後、犯行グループの供述によって、東京都内のネットカフェ約２００店舗に、このキーロガーが仕掛けられていたことが明らかになりました。

 

犯行グループが逮捕された時点で、２，０００件あまりの銀行の口座番号やパスワードを持っていたことも発覚しています。

 

まとめ

セキュリティとそれを突破する手段はいずれも日々進化しています。私たちの知識やセキュリティ意識も日々高めることで、自身の財産や個人情報を守れるようになります。

 

常にさまざまな角度から犯罪者は私たちの財産などを狙っています。油断せず、スキを見せず自分や家族を守れるように防犯対策をしていきましょう。

 

皆様の防犯対策のヒントになれば幸いです。社会から１つでも犯罪が減りますように。

 

 

 

〈出典・参考文献〉

著者：梅本正行

書名：新・防犯手帳

発行元：あ・うん

発行年：2005年