マンションで狙われる危険ポイントはここ

こんにちは、防犯専門ブランドのarcana《アルカナ》情報局です。

このサイトでは防犯の第一人者である日本防犯学校 学長の梅本正行先生から学んだ「今日からできる命と財産の守り方」をお伝えしていきます。

 

家族や自分自身の命、財産を守るためには犯罪者から狙われるポイントを知り、適切に防犯対策をする必要があります。なんでもかんでもやみくもに防犯対策をしても犯罪のプロに対して抑止力にはなりません。

 

まずはどのようなスキを狙われるのか、犯罪者が情報収集するポイントを知っておきましょう。

 

【前回までの記事はこちら】

あなたのマンションは危険に満ちている①：オートロックでも抜け道はたくさん！？

 

マンションの最上階は狙われやすい！１F・２F・３Fも危険

高層マンションの最上階に住むことが夢だという人は多いものです。いちばんの理由は「眺望」でしょう。都会の高層マンションなら夜景が楽しめ、リゾートマンションなら眼前に絶景が広がっていることでしょう。

 

上の階からの足音などの騒音に悩まされることもありません。しかし、防犯の観点からすれば、最上階はおすすめできません。侵入窃盗犯は、高層階に住む住人は所得が高いことを承知の上で狙ってきます。

 

その一方で、最上階に住む人はたいてい防犯意識が低いのです。「マンションの最上階なら泥棒は入らない。まさかこんな所まで上がってこられるはずがない」と思っており、ベランダの窓が開けっ放しであることが少なくありません。

 

ところが犯罪者は、「屋上」からロープを下ろしてベランダへ入り、簡単に侵入することができるのです。特に兵役を経験した外国人犯罪者なら、そんなことは朝飯前です。

 

では、マンションの「屋上」には誰でも入れるのでしょうか？それについて調査したところ、非常階段から屋上へ上れるマンションがたくさんあることがわかりました。また、直接は難しくても隣の建物から容易に飛び移れるマンションもあります。

マンションの最上階に住むエリート会社員が被害に遭ったケースを紹介しましょう。独身だった彼の部屋に、ときどき恋人が訪れていたのですが、この彼女だけが部屋にいた時間に侵入されたのです。

 

犯人は無職の元鳶職人だったので、屋上からロープを伝って降りることは簡単でした。一番の目的は金銭だったので、彼女は縛られただけで済んだのが不幸中の幸いです。「若造のくせにあんな所に住みやがって」という妬みもあったそうです。

 

最上階からの景色を楽しむために、レースのカーテンだけしか引かない人がいますが、とんでもないことです。高層マンションの最上階は遠方からも非常によく見えるからです。

 

あなたの部屋から夜景がよく見えるとしたら、それは他人からもあなたの住まいがよく見えるということです。双眼鏡を使えば、表情まで確認することができます。

 

前述のはす向かいに建つ古いマンションの６階から「エリート会社員のお宅事情」をしっかり観察していたのです。

 

中をのぞかれると、家族構成や暮らしぶりがわかってしまいます。留守であることも悟られやすくなります。外出する際に、日が落ちる時刻に部屋の照明が点く“タイマー付き照明器具”を取り付けるといいでしょう。

 

マンションの最上階に住む時のチェックポイント

・施錠されているか

屋上に通じる出入り口に、きちんとした施錠設備が施されていること

 

・柵があるか

屋上から下のベランダに降りられないように、柵などが設置されていること

 

それらを確認したうえで、窓やドアの施錠を徹底しましょう。できればドアに補助錠を取り付けたり、窓ガラスに防犯フィルムを貼ったり、あるいは防犯ガラスに替えることです。

 

さらに、不審者がベランダに侵入すると明るくなったりアラームが鳴ったりするセンサーを取り付けるといいでしょう。

 

なお、最上階と同じぐらいリスクが高いのは、１階、２階、３階です。しかし、どの階であろうと、雨樋伝いに侵入される可能性は残ります。

 

まとめ

とにかく侵入されないことが大切です。そのためには在宅中、留守中などの生活パターンの情報や家族構成などの情報を犯罪者に与えないことを徹底し、そのうえで防犯対策を講じるようにしてください。

 

どうか少しでも防犯対策の質を高め、安全に過ごせるよう工夫しましょう。

 

皆様の防犯対策のヒントになれば幸いです。社会から１つでも犯罪が減りますように。

 

〈出典・参考文献〉

著者：梅本正行

書名：泥棒はなぜ「公園に近い家」を狙うのか？

発行元：現代書林

発行年：2009年